大変怖がるお子様を治療する時は、ご両親がいなくなると不安ですので、まず 親がお子さんを抱っこして診療台に座っていただき治療を始めます。
そのうち慣れてくると診療台に寝ているお子様の足元にご両親がお立ちになり足を触りながら見守ってもらいます。
小児の虫歯予防の原点は、母親にあると言ってもよいでしょう。生後10ヶ月~31ヶ月の間に、虫歯菌であるミュータンス菌が母から小児へと感染していきます。その時の条件は、母親の口腔内にミュータンス菌が大量にいる場合、又、小児がショ糖(砂糖)をたくさん摂取している場合に、効率良く感染していきます。
問題は、一旦強く感染してしまうと、ブラッシング位ではミュータンス菌を減らす事は出来ず、”一生ミュータンス菌を大量に抱えて過ごしていかなければならない”というリスクを追うという事です。
反対に、上記の期間を無事に過ごす事が出来れば、サングイス菌(虫歯にとっての善玉菌)が定着しやすくなり、虫歯になりにくい口腔となっていきます。
薬液であるフッ化ナトリウム液をイオン導入装置を使い、フッ素とナトリウムに電気分解し、単に歯面に塗るだけでは歯質に取り込まれにくいフッ素を一時的に人体を(+)の電位に変えて浸透しやすくします。歯質に取り込まれたフッ素はフルオロアパタイトを形成し、虫歯を予防します。定期検診の時にはフッ素塗布をお勧めします。
歯の溝は深く、複雑な形態をしているため、歯ブラシで取りきれないプラークが侵入し、虫歯になることがあります。
シーラントにはフッ素除放性といって、徐々にフッ素が放出し、 歯が強くなったり、除菌する効果もあります。
咬合誘導とは、成長期の間に顎の成長を妨げている要因を取り除き、積極的に永久歯の生える隙間を作ったりして正常な永久歯列へと導くための治療です。
早い時期に適切な咬合誘導を施すことにより、永久歯を歯列矯正しなくても済む場合もあります。